会長挨拶
平成28年 年頭所感
新年明けましておめでとうございます。旧年中は、本会の運営に皆様のご支援とご協力を賜り、心より御礼申し上げます。本年も変わらぬご指導、ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。
さて、昨年は皆様のご支援を賜り、当会が一般社団法人化でき、4月からスタートを切ったことが最大のトピックスでありました。事務局も世代交代し、新体制の下、各種の行事に盛んに取り組みました。また、一昨年の第19回国際鍛造会議の論文を分析した「IFM2014情報分析」を完成させるなど、1年目を予定通り進捗させることができました。
昨年の我が国の経済状況を振り返りますと、数年前の「6重苦」と言われていた時代からは様変わりしましたが、景気は相変わらず足踏み状態が継続しております。ただ、全業種が悪いという訳ではなく、業種によってその現れ方が異なってきたのが特徴ではないでしょうか。
唯一、希望が持てる事象として、電力多消費団体が協力してまいりました原発再稼働がようやくスタートしました。今後の電力安定化や鋳鍛鋼製品生産に繋がることに期待したいところです。
一方、我々の製造している製品は、大型産業設備等の部品であり、この性能・品質向上が、各産業を支え、機能向上に役立っております。しかし、こうした技能・技術は職人技に支えられており、各社の共通する悩みであります。これを受けて当会の活動の大きな柱として「人材育成」を掲げております。技術委員会メンバーも最近は若返り、技術・技能の伝承や更なる技術への発展のため、今年は鍛鋼分野を皮切りに人材育成講座の開設を計画しております。
また、業界共通のテーマとして、安全と環境があります。安全は企業の根幹課題であり、CO2削減や産業廃棄物対策も、企業の継続的発展には大きな問題ですが、中々専門家が育ちにくい課題であります。これらの共通テーマも委員会等で活性化を働きかけていく予定です。
会員会社の皆様へのお願いがあります。
当会主催の講座、委員会へ是非多くの方に参加いただきたいと思います。ただ、講座や委員会の議題もさることながら、こうした場が単なる勉強や情報交換だけでなく、議題を本当の意味で考える場にすることで、磨かれていくことになると思います。技術・技能の伝承のためには、単なる教育ではなく、切磋琢磨する「場」が必要で、その場を通して個人の知識が生きたものになり、次の技術へと発展するのだと思います。そうした「場」を提供することが当会の大きな役割の一つであり、取り組んでまいります。活動への参加は、若手からベテランまでの各層の方に集まっていただき、積極的に発言いただくことが重要です。是非、「議論の場」の深まりにご協力をお願いいたします。
もうひとつ実現させたいテーマは海外との技術交流会であります。グローバル化は日本産業にとって避けられない問題であり、技術交流を通して世界情勢を体感することも大事です。2016年度は鍛鋼分野での海外技術交流会の検討を始め、引き続き鋳鋼分野でも検討に入っていく予定です。
最後に、今年は申年であります。西暦を12で割った際、余りの出ないのが申年だそうです。また、申という字は、果実が固まっていく様を表しています。そこで申年に因み、会員各社様の諸施策が確実に実を結び、生産物が余りなく出荷できる年になりますことをご祈念申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。
一般社団法人 日本鋳鍛鋼会会長 仲田 摩智(新日鐵住金株式会社 常務取締役)
過去の会長挨拶
令和6年(2024年) | 年頭挨拶(1月11日新年会にて) | 小野田 謙一 |
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令和5年(2023年) | 就任挨拶 | |
年頭挨拶 | 太田 大介 | |
令和4年(2022年) | 就任挨拶「力強い健全な業界へ」 | |
年頭挨拶 | 岩本 隆志 | |
令和3年(2021年) | 就任挨拶 | |
年頭挨拶 | 森 啓之 | |
令和2年(2020年) | 年頭挨拶(賀詞交歓会挨拶から) | |
平成31年/令和元年(2019年) | 就任挨拶(鋳鍛鋼業界の発信力向上に向けて) | |
年頭所感(賀詞交歓会挨拶から) | 天野 肇 | |
平成30年(2018年) | 年頭所感(賀詞交歓会挨拶から) | |
平成29年(2017年) | 就任挨拶(創立70周年記念祝賀会にて) | |
年頭所感 | 仲田 摩智 | |
平成28年(2016年) | 年頭所感 |